糖尿病患者が陥りがちな有酸素運動に関する勘違い。正しい有酸素運動とは?


あなたは正しい有酸素運動、できていますか?

これをご覧になっている糖尿病患者の皆様は、例外なく「有酸素運動を行うべき」と、医師や管理栄養士の方から指導されていることと思います。

しかし「有酸素運動」と言われて「具体的にどうすれば良いのか」を明確に理解できている方は少ないのではないでしょうか??かくいう私も、偏見や浅い知識に振り回され、数々の間違いを犯してきました。

ここでは、私をはじめ糖尿病患者が陥りがちな「有酸素運動に関する間違い」と「糖尿病患者に求められる有酸素運動」を、論文などのデータを交えて紹介したいと思います。

陥りがちな有酸素運動の間違い

有酸素運動は20分以上続けないと意味がない

これは間違い。有酸素運動は5分程度でも、しっかりと効果があります。

運動時後初めのうちにエネルギー減として消化される脂質は血中の「遊離脂肪酸(Free Fatty Acid / FFA)」です。運動によりこれが減少してくると、リパーゼにより「体脂肪(主成分:トリグリセリド Triglyceride / Tg)」が分解され、血中に遊離脂肪酸が供給されます。

「20分以上すると脂肪が燃焼する」としているメディアは、この「体脂肪の分解」のことを指しているようです。

たとえ短くとも、運動を行えば脂質は燃焼できるわけです。

なおこの遊離脂肪酸、運動後に余ったものは再び体脂肪として戻ってしまいます。また、血中濃度が高すぎると体調に不調をきたすこともあるようです(中村, 1983)。

有酸素運動はたくさん汗をかくような運動が必要

実は脂肪は、安静にしているときにも燃焼されています。つまり、必ずしも汗をかくほどの中~高強度の運動を行う必要はないといえます。非常に軽い運動を行うだけでも脂肪燃焼は行えていると考えられています。

「楽な運動(25%VO2max )」では、そのエネルギー源の80%が脂質(血中の遊離脂肪酸および筋内脂肪)であるという研究もあります(Romijin ら, 1993)。

本格的な運動が必要だと身構えてしまう方も多いようですが、上記のように「少し体を動かす」「いつもよりも多めに歩く」だけでも、十分な「有酸素運動」であるといえるでしょう。

有酸素運動では脂肪燃焼だけをエネルギーにできる

「脂肪を燃焼する」ということに注目して、有酸素運動では「脂肪だけが燃焼される」という印象を持つ方も多いと思います。私もそうでした。

しかし実際には中程度の運動ならば、脂肪と炭水化物が1:1の割合で燃焼されているそうです(Astrand, Rodal, 1986)。

つまり、脂肪が燃焼できているからと言ってエネルギーを補給せずに長時間の運動を行ってしまうと、低血糖に陥ってしまう危険性もあります。

まとめ:目先の情報を鵜呑みにしない

糖尿病と宣告された日から私は、毎日のようにネットでの情報を調べ、またそこで得た情報に対しては研究論文などの信頼できるソースで裏付けをとるようなことを続けてきました。

そこで分かったのは2つ。

  • メディアサイトに書いていることを鵜呑みにしない。
  • 自分でやって、体感するのが一番間違いない。

ということ。

近年ではGoogleの検索精度も上がり、医師や権威の発言でないと上位表示されなくなっています。そう、私が書いてるこの記事も、きっと検索結果には表示されないんです。

しかし研究結果や論文も、同じような事柄に対して全く違った結論を導くこともあります。

結局のところ、わが身をもって試すしか、確かめる方法はないのだと痛感しています。

事実私は、運動強度を調整したトレーニングを導入した結果、面白いように体の脂肪が消化されて行っているのを感じています。

自分のための情報です。
その信頼性を、Google任せ、メディア任せにするのではなく、自分の目で見て、手足を動かして、学んでいきたいものですね。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です